つぎのいえ -改正開始- 1/4
- nextform じゅんや
- 5月1日
- 読了時間: 4分
更新日:6 日前
かつて僕も少年だった。
僕がまだ中学生の頃、コンビニが街のあちこちに出来始めた頃のことだ。その一方で、コンビニの店先でたむろする若者たちが問題視されるニュースが、連日のようにテレビで報道されていた。当時の僕は、そのニュースを少し斜めから見ていたのかもしれない。
若者たちが歪んでいるのだろうか?いや、僕には、社会そのものがどこか歪になっているように感じられたのだ。
たまたま目にしたアフリカの民族のテレビ番組。広場では、先輩たちが楽しそうに踊りを教え、祭りの準備では、それぞれの役割を担った人々が活き活きと動き回っていた。世代を超えて、知恵や文化、役割が自然と受け継がれていく。そして、彼らは誇らしげに、テレビカメラの前で伝統の舞を披露していた。
コンビニの前で所在なさげにしている若者たちは、もしかしたら、そんな「広場」を、本能的に求めているのかもしれない。中学時代の、青臭い感受性だったかもしれないけれど、今でも僕は、あの時の直感を間違いだとは思っていない。
少年だった僕には、漠然とした夢があった。「広場」を作りたい、と。
その漠然とした夢は、1994年、デザイングループnextformの誕生、そして2013年のnextHomeの開店へと繋がった。
学生の頃、地元のバーによく顔を出していた。カウンターの中には、バーテンダーさんがいて、隣の席には、少し年上の先輩たちがいた。彼らは、格好いい生き方や、時には格好悪い失敗談を面白おかしく教えてくれた。時には厳しく叱られ、時には思いがけない言葉で褒められたりもした。今思えば、あの場所は、僕にとってある種の学び舎であり、礼節を持って戦い方を教える道場、そういった輪っかを形成する「広場」だったのだ。
今の若い世代には、そんなリアルな「広場」が不足しているのではないか。オンラインの繋がりだけでは得られない、血の通ったコミュニケーション、畑違いの先人からの学び。それを思うと、少しばかり気がかりだ。
だから、作りたい。いつになるかはまだ分からないけれど。
あれから20年以上。かつての少年はこう考えていたのです。
あの時の問題意識と「広場」というキーワードを胸に、様々な場所を訪れ、多くの人と出会い、考え続けてきた。この思いを始めて書いたのは2008年でありました。
そして今、2025年。あの頃の夢を、このnextHomeという場所で、新たな挑戦として形にしようとしています。
nextHomeは、これまで 1日の終わりに、ふと立ち寄って心安らげる場所でありたいと願って参りました。それは、僕にとってのあの地元のバーのような、温かい繋がりが生まれる場所。世代を超えて、様々な人が集い、語り合い、何かを感じられる場所。
幸いなことに、多くのお客様に帰ってきていただける、そんな特別な場所になったと感じています。カウンター越しの笑顔、グラスを交わす会話、時に響く笑い声、流れる静かな時間。その一つひとつが、nextHomeの歴史であり、何よりも大切な宝物です。
心を込めた一杯、お客様一人ひとりの好みに合わせた提案。何気ない会話から生まれる繋がりを大切にし、お客様同士が自然と笑顔で言葉を交わす、温かいコミュニティのような「広場」でありたいと願ってきました。開店以来の日々を振り返りますと、いつもお客様の笑顔に支えられてきたことばかりで、心より感謝申し上げます。
しかし、時代は変わり、お客様のニーズも多様化しています。私たち自身も、常に新しい価値を提供し続けたいと強く思うようになり、これまで大切にしてきたnextHomeの温かい雰囲気はそのままに、これからも皆様にとって、より特別な場所であり続けるために、私たちは新たな一歩を踏み出そうとしています。
それは、より深く、よりパーソナルな体験を、落ち着いた環境で提供するための変化。いつもnextHomeを愛してくださる皆様に、さらに特別な価値を届けたいという想いの表れです。

具体的な内容は、まだ申し上げることは出来ません。
けれど、この変化は、決して皆様との繋がりを薄めるものではありません。むしろ、より深く、より特別な関係を築いていくためのものだと信じています。
近いうちに、nextHomeは少しだけ姿を変えます。小さな改正です。それは、私たちにとって新たな挑戦であり、皆様にとっても新しい体験の始まりとなるかもしれません。
どうか、この小さな変化の兆しを、温かい目で見守っていただけたら幸いです。そして、これからも変わらず、nextHomeを愛していただけたら、これ以上の喜びはありません。
次回の投稿では、この新たな挑戦への私たちの意気込み、そして目指す未来について、もう少しだけお話させていただければと思っています。
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