僕の事覚えてなくても、僕は覚えている
「お婆ちゃん。絢也やで。痛いか?」 この事態にどう語りかけて良いか分からず、僕はこう質問した。 「痛ないよ」 祖母は見上げながらニッコリ微笑んだ。
数回、デザインをモデルチェンジしていますが、 僕、このジョージアのカフェオレが大好きなんです。
この商品を長年飲み続けているわけですが、 出張などで、東京に行くと、無いんですね。コレが。 和歌山や神戸。静岡でも確認しましたが、東京はない。 なぜだろう。 ウチのスタッフや友人も 僕がコレを好むのをよく知っていてくれて、 事務所への差し入れに買ってきてくれます。 実は、本当に長年好きでして、 学生時分から飲んでます。 実家住まいの時も家族が買って 冷蔵庫に入れてくれてたりしたのです。 この時、祖母の誕生日でした。 84歳の年女。 祖母は、施設に入っている。 誕生日の当日には、 母と祖母を連れ出し、散髪と喫茶店へ。
喫茶店では、ささやかに誕生日会。ケーキを食べる。 そして、母はコーヒーが好きだが、 祖母はコーヒーが嫌いだ。 「私に、孫はおらへんよ?」 同じ施設のお婆さん達の質問に祖母。 僕は苦笑い。 色んな事を忘れる。 どんどん忘れていく でも、本当に大事な物は忘れない。 むしろ、本当に大事な物を忘れてしまっても 教えて貰った大事な物を、僕らが知ってりゃいい。 僕の事覚えてなくても、 今日が何日か分からなくても、 僕は覚えている。 お婆ちゃん、84歳の誕生日おめでとう。 施設では、3時におやつの時間がある。 呼ばれて、祖母がおやつをもらいに行った。 エクレアと、ジョージアのカフェオレ。
お婆ちゃん。 コーヒー飲めないじゃないか。 そうか。 よく買いに行った事は覚えてるんだな。
僕を喜ばせてやろうという事は覚えているんだな。 僕も覚えているよ。
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