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つぎのいえ -ザ・グレート・アマチュアリズム- 2/4

  • 執筆者の写真: nextform じゅんや
    nextform じゅんや
  • 21 時間前
  • 読了時間: 4分

前回の投稿では、少年時代の私が「広場」という言葉に抱いた漠然とした憧憬、そしてその想いが、時を経てデザイングループnextformの設立、そしてこのnextHomeという場所を創造する原動力となった過去の記憶を辿らせていただきました。多くの方々から、共感や温かい励ましのメッセージをいただき、本当にありがとうございます。


本日は、その原点とも言える「広場」への想いを胸に、経験豊富なプロフェッショナルとは言い難い、私たちnextHomeを支えてきた「偉大なる素人魂」について、そして、その魂がどのように未来への熱い願望へと昇華し、新たな挑戦へと私たちを駆り立てているのかを、より深く掘り下げてお話させていただければと思います。


思えば、nextHomeの歩みは、決して平坦な道のりではありませんでした。潤沢な資金があったわけでも、飲食業界での確固たる経験があったわけでもありません。「こんな場所があったら、自分自身が心から寛げるだろうな」「世代を超えて、様々な人が集い、語り合い、何か温かいものが共有できるような空間を創りたい」という、極めて個人的で、ある意味、素人然とした衝動が、この場所の胎動でした。


内装のデザイン一つを取っても、専門の業者に全てを委ねるのではなく、「こんな色合いが好きだ」「この素材の温もりが心地よい」といった、個人的な感覚を大切にしながら、自分たちの手で少しずつ作り上げていきました。壁の色を塗り、照明に悩み、家具を一つひとつ探し求めた日々は、今となっては懐かしい思い出です。


メニューの開発も、まさに試行錯誤の連続でした。 プロの料理人のような洗練された技術はありませんでしたが、「自分が本当に良いと思えるもの」を追求し、様々なレシピを試し、時には失敗を繰り返しながら、今のnextHomeの味を形作ってきました。お客様からの「美味しい」という一言が、何よりも私たちを勇気づけてくれる報酬でした。


お客様との接し方も、マニュアル通りではありませんでした。「いらっしゃいませ」という形式的な挨拶だけでなく、一人ひとりの表情を 注意深く観察し、その日の気分や状況に合わせて、言葉を交わすことを心がけてきました。時には、お客様の悩みを聞き、一緒に考えたり、時には、他愛ない世間話で笑い合ったり。そうした、人間味あふれる、面と向かってのコミュニケーションこそが、nextHomeの空気を特別なものにしてきたのだと信じています。


もちろん、「素人」であるがゆえに、プロのやり方を知らず、回り道をしたり、非効率的なことをしていたかもしれません。プロの経営の視点から見れば、改善すべき点はたくさんあったでしょう。しかし、それを他人が最適化するなら、西心斎橋で完璧なBarが、1店舗あれば良いはずなのです。

「偉大なる素人」であるからこそ、既成概念にとらわれず、大胆な発想で新たな挑戦をすることもできます。時には弱点となるかもしれませんが、同時に、自由な発想の飛躍を可能にする源泉となり得ます。


お客様の笑顔は、私たちが1994年の結成以来、デザイングループnextformのシンボルマークとして大切にしてきた、笑顔同士の人の繋がりであり、「ありがとう」「また来るね」というその言葉が、私たちの存在意義そのものです。心より感謝申し上げます。


私たちが目指すのは、単に内装を変えるといった表面的なものではありません。これまで大切にしてきたnextHomeの温かい雰囲気という核となる価値はしっかりと守りながら、より豊かで、より記憶に残るものにするための進化です。そして何よりも、nextHomeが、未来の「広場」としての役割をさらに強化し、より親密な空間を創造したいと考えています。

この変化が、いつもnextHomeを支えてくださる皆様に、より良い未来をもたらすものと信じておりますが、もしご不便をおかけする点がありましたら、心よりお詫び申し上げます。


私たちの挑戦は、決して容易な道ではないかもしれません。 プロの批評家からは、様々な意見が出るかもしれません。しかし、私たちは、これまで多くのお客様に支えられてきたこの独自の道を信じています。


2000年から2003年の間に、展覧会や合同での展示会での、ある作品に書かれた文章を紹介したいと思います。

私が書いたにも関わらず、大人になった自分をいつも奮い立たせる、かつての少年からの手紙です。


「清らかじゃなかったけど、いつも純粋だったはずだ。根性はなかったけど、いつも勇敢だったはずだ。散らかっていたけど、ここは神聖だったはずだ。」

この時の想いこそが、私たちが次なるステージで実現したい特別な広場という価値観に繋がっています。



本投稿も抽象的でございましたが、次回の投稿では、私たちが描く未来のnextHomeの具体的な姿、そして、それが皆様にとってどのような新しい価値をもたらすのかを、明らかにいたします。どうか、私たちの至高のアマチュアナイトへの期待を胸に、次回の投稿をお待ちいただければ幸いです。

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