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  • 執筆者の写真nextform じゅんや

天才のなれなかった全ての人へ Part.2



SNSでリプライしました 「左ききのエレン」内での、他者のGraffiti作品に上書きを描いてイイのは、それより上手い人だけ。というのは本当です。本当にある文化です』というのを 少々、補足させていただきたく、Part.2を書こうと思います。 本作は、これからGraffiti Artについて焦点が当たらないのかな? 実を言うと、本作にも名前が出てくる「ジャン=ミシェル・バスキア」は Graffiti Artとの接点があまりないと僕は感じています。 キース・ヘリングやアンディ・ウォーホルもそうですね。

ただ!

こうして、主人公の光一がGraffiti Artistを「バスキア」と挙げるのが絶妙で、主人公のポピュラリティーが反映されているように思えます。マジで絶妙です。

....ちなみに、僕は「壁画描いてたんだ。キース・ヘリングみたいな?」と言われ、「ああ....まぁそうなるわな...」と思った事があります。

誤解がないように言っておきますが、バスキアも、キース・ヘリングも、アンディ・ウォーホルも大好きですからね。 しかし、僕が夢中になったのは、1983年に公開された映画『WILD STYLE』によって世に蔓延した HIP HOPのカルチャーの1つ。Graffiti Art。 近年、RAPバトルがTVでも見れるようになってきましたが、 HIP HOPはRAPだけではない。 Danceバトル、DJバトル、そしてGraffiti Artのバトルがあります。 すなわち、Graffiti Artのバトルでの暗黙のルールなのです。 僕らも、人の作品の上に描いた事があります。

.....下手だったから。 逆に考えてみましょう。 上手な人の作品に、下手な人が描いたなら。 ...ああ。考えたくもないですね。 よかったです。Hの諸君。僕らにめっからなくて。 Part.1に書いていたのですが、僕達デザイン集団nextformと改名する以前、 Graffiti Artをしていたのです。 Graffiti Artとは、簡単に言うと NYの地下鉄とか壁面とかに見られる スプレーで描かれた絵。あれです。 その頃の僕等を夢中にさせた映画がございました。 HIP HOP映画の先駆的作品として 先ほど申しました映画「WILD STYLE」。 この映画に感銘を受けてHIP HOPの世界に入った ミュージシャンも少なくないとの事です。


その「WILD STYLE」のサントラも非常に有名なんですが、 ジャケットの絵。 「WILD STYLE」と派手に描かれたOLD SCHOOL調のレタリング。 それを描いたのは、LEEQというGraffiti Artistなんですが そのLEEQ達と一緒にGraffitiをし、ROCK STEADY CREWとも大変縁のある Jose Parlaが来日されていたのです。しかもココ大阪に。 当時、オープン予定の CALIGULAに壁画を描きにやって来たのです。


写真は、Joseとヤン。ヤンはアニエスのプロモーターでもあります。 友人から電話があり、 「絢也は昔、Graffiti してたでしょ?話し合うんじゃない?」 という感じで、紹介され一緒に遊んでました。


彼は、元々キューバ出身。そしてNYで活動してます。 僕、英語は全然駄目なんですが、日本語が上手で助かった。 なにか仲良くなってしまい、3回目会う時には 僕の家で、メシ喰ってました。 友達を沢山呼んで寒くなってきたらよくやる鍋としゃぶしゃぶ同時進行。 家では、お互いの作品を見せ合いっこしながら酒を飲んでいました。 日本語のレターを興味深く見て頂いて、すごく褒めて下さいました。 「あなた方が、いなかったら、僕等はいなかったんだ。 僕等にとって、君達は憧れの的だったんだよ。」 友人は彼に訳してくれます。 僕は、この言葉を吐いた後、泣きそうになってしまって 席を外してしまいました。 彼は、LEEQが創立した会社の現社長。 世界を飛び回り、その次の日は東京に行ってしまった。 そういえば、僕の家で村上隆氏と電話を。 その日やっていたキムチ鍋の美味しさを英語で伝えてました。


LEEQ作のGraffiti「WILD STYLE」のサントラにサインを頂きました。 そうそう。 Joseは焼酎が好きみたいで、その中でも鍛高譚がお気に入り。 「たんたかたん♪ たんたかたん♪」 と、BeatBoxを交えて口ずさんでました。


Jose Parlaについてはこちら 僕は、レター(文字をディフォルメしたGraffiti)が中心で、スローアップはあまりしなかったんですが、Jose Parlaの作品を見て下さい。ウニャウニャしているのは、字です。 タギングのカリグラフィを発展させて、絵にしているんです。 タギングとは、自分のグラフィティ用の名前、属するグラフィティのグループ名、出身地などを書いたものをタグという。タグを打つ、書く行為をタギングといいます。今はSNSとかでもよく言いますよね。タグ。そういうことです。 ストロークやスプレーの使い方で、このタグを描いた人は、上手だとかすぐに分かるんです。 今作のエレンは、主人公の壁画を見て、恐らくすさまじい落胆におそわれたに違いない。

だって、僕経験あるんです。

「左ききのエレン」では、上書きされているわけではありませんが、 僕は、ど下手の素人にもなれてない奴らに上書きされた事があります。 主人公よ。ビンタぐらいで済んでよかったな....。 Joseは僕の前の家で鍋をつつきながら、KRS ONEの物真似をしていました。 前後切ったので短い映像ですが。前の家は片付いてなくてすいません。

今はもっと片付いてないです。


You must learn!

よく使われるフレーズですね。 Boogie Down Productions時代KRS ONE「You Must Learn」の映像を貼っておきます。 聞き覚えのあるトラックですよ。そうアレです。


アレというのは、Freedomの「Get Up & Dance」


スチャダラパーでも、同じ曲名でありますね。ポンキッキーズでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

You must learn! あなたは学ぶ必要があります。 今回は、Graffiti Artについて少し書きましたが、これから「左ききのエレン」では、広告代理店での話も沢山出てくるかと思います。 前にも書きましたが、僕らクリエイターにとっての哀しみが描かれています。 毎週ジャンプ+で配信作を読む度、唾をごくりと飲むのです。 どうか皆さんに知って欲しくて、このブログを書きました。 『左ききのエレン』が流通して、普段のほほんとしているクリエイターの矜持と哀しみを感じて欲しく思います。 『左ききのエレン』第1巻、発売中です。

あなたは学ぶ必要があります。


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