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狂人の、大真面目な独白 Part.2

  • 2月18日
  • 読了時間: 3分

僕は休日の時、夜の静寂の中で液晶タブレットの光を浴びています。

デザイナーとして小綺麗なロゴを納品し、バーの店主として笑顔でお酒を注ぐ。 そんな日常の皮を一枚ずつ剥いでいった先に、どうしても直視しなければならない「僕自身の姿」がありました。


悪魔のような何か

添付したのは、その下書きです。

画面の中心。 正面を向き、微動だにせずこちらを凝視している「何か」がいます。 人なのか、それとも人のかたちを模しただけの異形なのか。 それは、少年の背後で冷たく佇み、僕の「浅ましさ」を無言で肯定している、もう一人の僕自身です。


表情はなく、ただそこにあるだけの圧倒的な存在感。 この「何か」が中心に座り込んでいる限り、僕はどれだけ美しく装っても、この深淵から逃げ出すことはできません。


かつて僕は、純粋に何かを描いていたはずでした。


けれど、いつからか僕は、その純粋さを「他人の目」や「社会の尺度」という名の装飾で覆い隠す術を覚えてしまった。 デザイナーとして実力はあると自負しながら、どこかで空虚さを抱え、自分自身を切り売りするようにして場所を守り続けてきた。

その空虚な時間の積み重ねが、画面中央の「正体不明の何か」を、これほどまでに大きく育ててしまったのかもしれません。

この絵は、僕がずっと隠し持っていた「淺ましい本性」そのものです。 他人が見れば目を背けるでしょう。不快で、救いがなくて、悍ましい。 「なぜこんなものを描くのか」と問われるかもしれません。 けれど、この中心にいる異形こそが、誰にも見せなかった僕の真実だったのです。

僕は、この絵を仕上げます。


中心に座る「何か」の視線を浴びながら、僕はペンを動かし続けます。

完成したこの絵を、店内でお見せします。 清書された線の一本一本に、僕が飲み込んできた孤独と、これから生きていくための毒を込めました。


もし、あなたの中にも、誰にも見せられない「何もない地面」があるのなら。 あるいは、自分の中心に自分でも説明のつかない「異形」を飼っているのなら。 この呪いのような絵の前で、僕と一緒に、本当の自分を静かに眺めてみませんか。

ペン入れ1
ペン入れ2
ペン入れ3
ペン入れ4



……というとでも思いましたか?


こんな落書きが、本当の悲しさではない。 冗談です。っぽくダラダラ描きました。

こんなものは、ただの狂人っぽいポーズに過ぎない。


本当に、他人が目を背ける様な、僕の淺ましい本性の絵とは、こういうもんじゃない。 表層だけの呪いのような、目を背けたくなるような、絵はこういうのじゃない。

いいですね。題名はこれにしましょう。Amazarashiっぽいですね。


「他人が目を背ける様な、僕の淺ましい本性の絵」


結局、隠しているのだ。


誰かに褒められたくて絵を描き始め、誰かに喜んでほしくて店を整えてきたけれど、その中心にあるのは、他人の存在すら疎ましく思うほどの、独善的で、醜い、剥き出しの自己愛だ。


周りにどれだけ人が増えようが、どれだけ称賛の声が届こうが、僕の魂は林の中で、何もない地面をなぞり続けていたあの頃から、一歩も動いていないのかもしれない。


清らかじゃなかったけど、いつも純粋だったはずだ。

根性はなかったけど、いつも勇敢だったはずだ。

散らかっていたけど、ここは神聖だったはずだ。


トイレに飾ったあのグラフィティに、僕はそう刻んだ。 この言葉は、綺麗に整えられたnextHomeという空間に対する、僕のせめてもの「抗い」だ。


「神聖」であるためには、自分の「浅ましさ」から目を逸らしてはいけない。

プロだ、ブランドだ、接客だ。 そんな外皮をすべて剥ぎ取った後に残る、空っぽで、独りよがりで、救いようのない僕の本性。 それを描かずに、 「美しい空間です」なんて、嘘はつけない。



「他人が目を背ける様な、僕の淺ましい本性の絵」 

本当の絵は、次のPart.3にて、ご覧になってください。

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